INZSIT BICYCLE/650B プロダクションフレームが出来るまで

INZIST BICYCLE/SLAVE650B

何十年も26インチに乗ってきたので26インチのジオメトリーは乗り方によってどうすれば良いのか大体解りますが、650Bフレームは今回のSLAVEが初めてなので1STサンプルは、26インチをベースにしまずはジオメトリーチェックの為に制作しました。下の画像が1stサンプル。
1st
そんなに狙いが外れた感じは無く、自分の考えているジオメトリーの方向性が確認出来た。
2ndプロトは、販売用を意識して作り込んだ。
2nd
2nd_end
2ndプロトで一番試したかったのはParagonmachineworksのエンドを使用した142mmスルーシャフトの剛性感。
142スルーシャフトになると急に堅くなる。予想通り堅くなった。
縦のシナリも感じず、抜けが悪い。
BB周辺の剛性も有り過ぎでコーナーなどで曲がりたいところでバイクが立ってきてしまい曲がらない。
お世辞にも楽しいとは言えない。
PVをよく見て頂くと解ると思う。
唯一良かったのがポストマウントのリアブレーキ。
30.9のシートポストを使いたかったのでシートチューブも特注で制作。
ステルドロッパーシートポストを使用出来るようにするためダウンチューブに穴を空け、パイプの中を通しBBの少し上辺りで外に出しシートチューブにも穴あけ加工をしドロッパーを使える様にした。
しかしパイプ内側に水が入ってしまうのてダウンチューブからシートチューブに入るところのワイヤーのRがキツかった。
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cs
リアの剛性を落とす為に試行錯誤。
縦のシナリを出す為にチェーンステーをエンドに向けて細くした。
チェーンステーBB後側のガセットを排除。
BB付近の剛性が落ちコーナでのバイクが立ち上がってくる動きが解消。
狙い通りのクロモリの波動がでた。
ギャップなどでの抜け感が良くなり、コーナーでの倒し込みが出来る様になった。
シートステーのガセットも1st、2ndには真ん中に穴があいていたが格好悪いので変更。
ステルスドロッパーシートポストのワイヤーのラインをBB下から回しシートチューブ裏側からエントリー出来るように変更。ダウンチューブ内側にワイヤーを通す事は断念し、リムーバブル仕様にした。リームバブルガイドを固定する為に小判型のベースを制作しこれにネジ山をたてた、フレームに穴を空けずにすんだ。

カラーは、パイプそのもののカラーを出したいのでローフィニッシュの濃さの調節をすることにし分厚めにしてもらう様にした。

JAPAN QUALITY
ただ単に溶接が奇麗とか言う訳ではなく、山で走った後すぐにビルダーの元へいき直接フィーリングを伝え改善方法を考え製品に活かしていく、このような事出来る全てをひっくるめてのJAPAN QUALITYだと僕は思います。
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